手芸用ライトの選び方|刺繍・裁縫の手元に合う照明は?
刺繍や裁縫、編み物をしていて、「手元をもう少し明るくしたい」と手芸用ライトを探す方も多いのではないでしょうか。
手芸用ライトには、拡大鏡付きライトやミシン用ライト、持ち運べるライトなど、さまざまなタイプがあります。
一方、布や毛糸、編み図、道具を机に広げて作業するなら、一般的なデスクライトも候補になります。
大切なのは、「手芸用」と書かれているかではなく、自分の作業で何を見たいのか、どの範囲を照らしたいのかです。
この記事では、刺繍・裁縫・編み物などの作業に合わせたライトの選び方と、デスクライトを選ぶときに確認したいポイントを紹介します。
実際にデスクライトで編み物の手元を照らし、明るさや影、毛糸の色の見え方も確認しました。
手芸用ライトは「何を見たいか」で選ぶ

手芸用ライトは、専用品か一般的なデスクライトかを先に決めるのではなく、作業で何を見たいかから選びます。
| 手芸の場面 | ライトの候補 |
|---|---|
| 細かな縫い目や図案を大きく見たい | 拡大鏡(ルーペ)付きライト |
| ミシンの針元だけを照らしたい | ミシン用・小型の手元ライト |
| ソファなど場所を移しながら編み物をしたい | 携帯型・首掛け型ライト |
| 布、毛糸、編み図、道具を机に広げたい | デスクライト |
| 作業位置に合わせて光を動かしたい | アームを調整できるデスクライト |
| 広い範囲を見ながら色や柄を合わせたい | 照射範囲や演色性を確認できるデスクライト |
たとえば、刺繍目やビーズを大きく見ることが目的なら、拡大鏡付きライトが合う場合があります。
一方、布や毛糸を机に広げたり、手元と編み図を同時に見たり、作品全体の色や柄を確認したりする作業では、広範囲を明るく照らせるデスクライトが役立ちます。
まずは「今の作業で何が見にくいのか」を考え、必要なライトを探してみましょう。
手芸用のデスクライトで確認したい4つのポイント

手芸に使うデスクライトは、「明るいほどよい」「広く照らせるほどよい」と一律には決められません。
作業する時間帯や部屋の明るさ、手芸の種類によって、必要な光は変わります。
1.作業する場所に必要な明るさがあるか
まず確認したいのは、自分が見たい場所が十分に見えているかです。
昼間の自然光や天井照明で作業面が十分明るければ、大きな布を裁断するためだけにデスクライトを追加する必要はない場合もあります。
一方、編み目や編み図、針先など細かな部分を確認したいときは、部屋全体が明るくても、その部分へ補助的に光を加えることで見やすく感じることがあります。
照度(ルクス)の数値だけでなく、その作業に必要な場所へ光が届いているかも確認しましょう。
2.手や道具の影が作業部分に重ならないか
刺繍や編み物では、手や針などが光を遮り、見たいところへ影を落とすことがあります。
ライトを置いたら、普段と同じ姿勢で手を動かし、位置や角度を調整しながら、作業部分へ濃い影が重ならないか確認します。
以前の記事では、筆記作業でデスクライトの位置を変えて影のでき方を確認しています。そのときは、利き手側から照らすと書いている場所へ影が入りやすいことが分かりました。
ただし、今回の編み物では同じ傾向にはなりませんでした。何をするかによって、影が気になる位置は変わります。
3.布や毛糸の色を見るなら、光色だけで判断しない
色合わせを重視する場合は、色温度と演色性を別のポイントとして確認することが大切です。
色温度は光そのものの色合いを表し、演色性は、その光で照らしたときの物の色の見え方に関わる性質です。平均演色評価数Raは、演色性を確認する代表的な指標のひとつです。
そのため、「白っぽい光だから布や毛糸の色が正しく見える」とは限りません。色温度だけでなく、Raなど演色性に関する仕様も確認しておくとよいでしょう。
参考:一般社団法人日本照明工業会「LED照明ナビ|あかりに関する単語」
4.作業スペースに合う設置方法を選ぶ
手芸では、布や毛糸、はさみ、図案などを机に広げることがあります。
机上スペースをできるだけ残したい場合は、天板に固定するクランプ式なら台座を置かずに済みます。
一方、リビングテーブルや別の机へライトを移動することが多い場合は、ベース式の方が目的に合うことがあります。
設置方法にも絶対的な正解はありません。普段どこで手芸をするか、机にどの程度のスペースが必要かから選びます。
クランプ式デスクライトの選び方はこちらの記事も参考にしてください。⇒クランプ式デスクライトの選び方とおすすめ:目に優しいLEDで快適な学習・作業環境を
編み物の手元をデスクライトで照らしてみました
今回は、デスクライト名品館のデスクライト「ジェントライト」を使って編み物をし、手元の明るさ、影のでき方、毛糸の色の見え方を確認しました。
昼間は自然光が入る部屋、夜間は天井照明のみの環境でも撮影し、周囲の明るさによる違いも見ています。
昼間はライトなしでも見えるが、点灯すると手元や編み図が見やすくなった
昼間は窓から自然光が入っていたため、デスクライトを点けなくても、毛糸や編み図は問題なく見える環境での撮影です。


薄曇りの正午、ブラインド越しに自然光が入る環境で撮影
デスクライトを点灯すると、編み物をしている手元や開いていた編み図が明るくなり、撮影者には、細かな部分を確認しやすいと感じました。
今回の撮影環境では、デスクライトがなくても編み物をすること自体に差し支えはありませんでした。
そのうえで、編み図や編み目など、特に見たい場所へ光を補うという使い方は役立つと感じました。
編み物では、ライトの左右による影は筆記ほど気にならなかった
以前の記事で筆記作業を確認した際は、利き手側から照らすと、書いている部分に手の影が重なりやすい結果でした。
一方、今回の編み物では、ライトを利き手側や正面に置いても、左右による影の違いはそれほど気になりませんでした。
影の気になり方は作業によって変わります。刺繍やビーズなど、針先や小さな作業点を見る場合は、実際の姿勢でライトの位置を変え、見たい部分に影が重ならないか確認するとよいでしょう。

今回の編み物では、ライトの左右による影の違いは筆記ほど気になりませんでした。
デスクライトの左右・高さ・向きによる影の違いは、
デスクライトの位置を決めるポイント|影・まぶしさ・反射を確認
で詳しく紹介しています。
昼と夜では、デスクライトを加えたときの毛糸の色の印象が違った
毛糸の色は、自然光が入る昼間と、天井照明だけになる夜間の両方で確認しました。
昼間は、デスクライトを点灯しても色の印象に大きな変化はありませんでした。一方、夜間は天井照明だけのときより、デスクライトを加えた方が、赤・緑・水色などが鮮やかに感じられました。
今回の確認では、周囲の光環境によって、デスクライトを加えたときの色の印象の変化にも違いがありました。


自然光が入る昼間は、点灯前後で毛糸の色の印象に大きな変化はありませんでした。

夜間は、天井照明だけの状態より、ジェントライトを加えた方が、撮影者には、毛糸の赤・緑・水色などがより鮮やかに感じられました。
撮影に使用したジェントライトの演色指数はRa95(当社測定値)です。ただし、今回の写真や目視だけで演色性の性能を評価するものではありません。
布や毛糸の色合わせをする場合は、実際に手芸をすることが多い時間帯の照明環境でも色を確認するとよいでしょう。
手芸でデスクライトを選ぶなら、作業内容に合うタイプを

手芸用ライトは、作業内容によって向くタイプが変わります。
細かな部分を大きく見たいのか、手元だけを照らしたいのか、机の上を広く使いたいのか。まずは、「どこを見たいか」「どこまで照らしたいか」を思い浮かべてみましょう。
たとえば、刺繍やビーズなど細かな部分を大きく見たい場合は、拡大鏡付きライトが向くことがあります。ミシンの針元だけを照らしたいなら、小型のミシン用ライトでも十分な場合があります。
ソファなど場所を移しながら編み物をする人には、携帯型や首掛け型が使いやすいこともあるでしょう。
一方、布や毛糸、編み図、道具などを机に広げて作業する場合は、デスクライトが候補になります。大きなパッチワーク作品など、広い範囲を見ながら色や柄を確認する場合は、照射範囲や演色性も確認したいポイントです。
デスクライトを選ぶ場合も、手芸全般に一つのタイプが適しているわけではありません。「手芸用」と書かれた商品だけに絞らず、自分が実際にする作業に必要な光から選んでみてください。

今回撮影に使用したジェントライトは、ベース式とクランプ式の両方で設置でき、広い作業面を照らせる蛍光灯型デスクライトです。色温度は5,500K、演色指数はRa95(当社測定値)です。
一方、自然光デスクライト ワイドも広い範囲を照らせるタイプで、LEDタイプで5段階の調光・調色に対応しています。
布や型紙を広げて作業する場合は照らせる範囲を確認し、そのうえで、決まった光でシンプルに使いたいか、作業や時間帯に合わせて明るさ・光色を調整したいかも選ぶポイントになります。
まとめ|手芸の種類と「見たいもの」からライトを選ぶ

手芸用ライトを探すと、拡大鏡付きライト、ミシン用ライト、携帯型ライト、一般的なデスクライトなど、さまざまなタイプがあります。
そのため、「手芸にはこのライト」と一つに決める必要はありません。
昼間の自然光で十分にできる作業もあります。細かな針先だけを大きく見たい場合もあれば、パッチワークのように作品全体の色や柄を見たい場合もあります。
今回、実際に編み物をして確認した範囲でも、筆記作業とは影の気になり方が異なり、デスクライトを点灯することで自然光のある部屋でも手元や編み図が明るく感じられました。
「どのライトが一番明るいか」より、「自分の手芸では何を見たいのか」から考えることが、ライトを選ぶ最初のポイントです。
そのうえでデスクライトを選ぶ場合は、作業する場所へ光が届くか、影を避けられるか、色の見え方や設置方法が用途に合っているかを確認してみてください。
