2025.01.30 COLUMN
  • X
  • LINE
  • Facebook

デスクライト コードレスのデメリット

コードレスデスクライトは、設置場所を選ばず、配線の煩わしさがない という大きなメリットがあります。
しかし、その利便性の裏には、使用時間の制限やバッテリーの劣化、明るさの安定性 など、いくつかの注意点も存在します。
今回は、コードレスデスクライトを選ぶ際に知っておきたいデメリットについて詳しく解説します。

コードレスの落とし穴!知っておきたいデメリットとは

バッテリー駆動の制約

コードレスデスクライトは充電式バッテリーを使用するため、使用時間が限られるのが最大のデメリットです。
特に長時間使用する場合、途中でバッテリー切れになってしまう可能性があります。

明るさが不安定になることがある

バッテリーの残量が少なくなると、ライトの明るさが徐々に暗くなります。
特に高輝度のライトは電力消費が多いため、フル充電時とバッテリー残量が少ないときで明るさに差が出ることがあります。

充電の手間がかかる

コードレスの利便性はあるものの、定期的な充電が必要です。
もし充電を忘れてしまうと、使用したいときに使えないということもあります。

バッテリーの劣化

充電式バッテリーは使用を続けるうちに劣化し、最大駆動時間が短くなっていきます。
特にリチウムイオン電池を使用している場合、数年でバッテリー交換が必要になることもあります。

高輝度モデルはコードレスに向かない

明るさを重視する場合、高出力LEDを搭載したデスクライトではバッテリー駆動時間が極端に短くなることがあります。
そのため、明るさを求める用途では、AC電源式の方が安定した光を提供できます。

コストが高くなる傾向

コードレスデスクライトはバッテリーや充電機能が搭載されているため、AC電源式のモデルより価格が高くなることが一般的です。
特に長寿命のバッテリーを搭載したモデルは、さらに高価になることがあります。

設置場所の制限

コードレスのメリットとして「どこでも使える」点がありますが、使用後に充電が必要なため、結局充電場所に戻す手間が発生します。
そのため、完全に自由な設置というより、充電場所を考慮しながら使う必要があります。

バッテリー残量が減ると照度が低下する理由

LEDは電流制御で明るさを調整する

充電式コードレスデスクライトは バッテリー電圧が下がると、LEDに供給される電力が低下 します。
その結果、LEDの発光効率が下がり、照度(明るさ)も低下 します。

ただし、「定電流回路」 を備えていることが多く、バッテリー残量が減っても一定の明るさを保てる設計になっています。

定電流回路とは?

LEDと電流の関係

LEDは 「電流の量」によって明るさが決まりるので、電流が増えると明るくなり、電流が減ると暗くなります。
でも、バッテリーの電圧は時間とともに下がる ため、そのままだと 電流が減り、LEDが暗くなってしまいます。

定電流回路の役割

バッテリーの電圧が変わっても、LEDに流れる電流を一定にするのが定電流回路の仕事です。
例えば、バッテリーの電圧が 100% → 80% → 50% に減っても、LEDに流れる電流を調整して 明るさを一定に保つ ことができます。
これにより バッテリー残量が少なくなっても、照明の明るさや色温度が安定します。

色温度や演色性に影響がない理由

色温度と演色性はLEDの特性で決まる

LEDの発光波長はチップと蛍光体によって決まる ため、バッテリーの電圧が下がっても基本的に 色温度(K)や演色性(Ra)は変化しません
つまり、明るさが落ちても 「光の質」は一定に保たれます。

低電圧でLEDのスペクトルは大きく変化しない

一般的なLEDは、駆動電圧が変わってもスペクトル(波長の分布)がほとんど変わりません
そのため、色温度や演色性が大きく変わることありません

状況によっては影響が出ることも

理論上、色温度や演色性は影響を受けないとされていますが、次のような場合には わずかに影響が出る可能性 もあります。

定電流回路がない製品

一部の安価なコードレスデスクライトでは 定電流回路がなく、バッテリー残量に応じてLEDの駆動電圧が変動 します。
その結果、LEDの発光効率が変わり、色温度が微妙にズレることがあります(特に白色LEDは電圧変化に影響を受けやすい)。

PWM調光(パルス制御)を使用するライト

一部の製品では、明るさを調整するために PWM(パルス幅変調) を使用しているものがあります。
しかし、バッテリー残量が少なくなると、PWMのパターンが変化して色温度がわずかに変わる ケースがあります(ただし、目で見てわかるほどではない)。

低品質なLEDでは演色性に影響

高品質なLEDではバッテリーの影響を受けにくいですが、安価なLEDでは駆動電圧が低下すると演色性(Ra値)が低下することがあります。
特に CRI(演色評価指数)が低いLED では、電圧が低くなると 赤色成分が減少し、色の再現性が落ちる 場合があります。

定電流回路を搭載しない理由

定電流回路は LEDの明るさを一定に保つ ために重要な役割を果たしますが、すべてのデスクライトに搭載されているわけではありません
以下のような理由で、メーカーが定電流回路を搭載しない場合があります。

コストを抑えるため

定電流回路を追加すると、回路設計が複雑になり、コストが上がります。
例えば、安価なデスクライトでは「低価格を実現する」ために、定電流回路を省略 し、バッテリー残量が減ると徐々に明るさが低下する仕様 になっています。

シンプルな設計を優先

簡単な回路設計にすることで、製造工程をシンプルにできます。
特に 小型のコードレスデスクライト では、部品の数を減らし、設計をシンプルにすることが求められますので、定電流回路を省略することで、コンパクトで安定した製品を作りやすくしています。

一部の用途では定電流回路が不要

例えば、間接照明や装飾用ライト では「明るさが多少変化しても問題ない」ことが多いです。
そのため、定電流回路を省略して、コストや消費電力を削減 する設計になっていることもあります。

バッテリーの持ちを優先

定電流回路を搭載すると、バッテリーの消費が増える ことがある。

定電流回路は「電圧が下がっても電流を一定に保つ」ため、バッテリーが低下しても無理にLEDを明るく維持しようとします。
これにより、バッテリーの持続時間が短くなります。
そのため、「明るさが徐々に落ちても、長時間点灯できる方が良い」という考え方で、定電流回路を搭載しない場合もあります。

充電しながらの使用を前提

一部のコードレスデスクライトは「充電しながら使う」ことを想定 しています。
充電中は十分な電力を供給できるため、バッテリーの電圧低下を気にしなくても良い設計 になっています。
その場合、定電流回路を省略し、シンプルな設計にすることがあります。

充電しながらの使用はバッテリーの劣化に繋がるのか?

基本的には劣化を早める可能性が高いです。
特に、リチウムイオン電池を搭載したコードレスデスクライト では、以下の理由でバッテリー寿命が短くなることがあります。

高温による劣化

充電しながらライトを使用すると、充電と放電が同時に行われるため、バッテリーが発熱 しやすくなります。
リチウムイオン電池は熱に弱く、特に40℃以上の環境 では 劣化が加速すると言われています。

バッテリーの「満充電状態」が長くなる

充電しながら使うと、バッテリーは常に100%近くの状態を保つことになります。
リチウムイオン電池は「40~80%の充電状態」が最も寿命が長持ちする ため、100%のまま使い続けると寿命が短くなります。

小刻みな充放電が発生

充電しながら使うと、「ちょこちょこ充電」=充放電サイクルが増えます(バッテリー残量が99%→100%→99%→100%…を繰り返す)
リチウムイオン電池の寿命は「充放電サイクルの回数」に依存 するため、こうした小刻みな充電でも 劣化が進みます。

過充電のリスク

最近の電子機器はほとんど 「過充電防止回路」 を搭載しているため、100%を超えて充電されることはないですが、安価なモデルでは、バッテリーに負担がかかり続ける設計 になっている場合があり、劣化が加速する ことがあります。

バッテリーを使わずにAC駆動がおすすめ

高品質なコードレスデスクライトの中には、充電しながら使用するとAC電源に切り替わり、バッテリーを消耗しない設計 になっているものがあります。
こうしたモデルなら、バッテリーを劣化させずに充電しながら使用可能なため、商品仕様を良く確認して選ぶことをお勧めします。

「発熱」「満充電の維持」「小刻みな充電」の影響で寿命が短くなる
対策として「80~90%充電」「放熱対策」「AC駆動への切り替え」を意識する
「充電しながら使用できる設計のデスクライト」なら劣化を最小限にできる

デスクライト選びの最大のポイントは、目に優しいデスクライトかどうか。
コードレス充電式のデスクライトではなく、AC電源タイプを選ぶのがベストです。