2026.02.04 COLUMN
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眼精疲労と疲れ目の違い|見逃したくないサインとセルフチェック、受診の目安

疲れ目でつらそうな女性

目の疲れがなかなか取れないとき、「これは単なる疲れ目?それとも眼精疲労?」と判断に迷うことがあります。
デスクワークやスマホ時間が増えるほど、目の不調が続くつらさを感じやすく、放っておくほど気になって仕事の効率や気分にまで影響することもあります。

「疲れ目」は医学的には眼疲労とも呼ばれ、十分な休息で回復しやすい一時的な状態を指します。
一方、「眼精疲労」は休息しても症状が改善しにくく、頭痛や肩こりといった全身の不調を伴うことがある慢性的な状態です。

この記事では、両者の違いを整理し、自身の症状を振り返るためのセルフチェック、原因、セルフケア、そして受診を検討したい目安について解説します。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を行うものではありません。症状が強い/長引く/急に悪化する場合は、医療機関(眼科等)にご相談ください。

この記事の目次

眼精疲労と疲れ目の決定的な違いとは?

「疲れ目」と「眼精疲労」を区別する最も重要なポイントは、休息によって症状が回復しやすいかどうかです。
目の疲れを感じても、一晩ぐっすり眠って翌朝すっきりしているなら、一時的な「疲れ目」の範囲であることが多いです。

一方で、十分に休んでも目の痛みやかすみが続き、頭痛や肩こりなど全身症状も一緒に出てくる場合は、「眼精疲労」の可能性が考えられます。
この違いを理解することが、対処の方向性を決める第一歩になります。

「疲れ目」は休息によって回復する一時的な症状

「疲れ目」は、医学的には「眼疲労」と呼ばれ、目の使いすぎによって生じる一時的な不調を指します。
主な原因は、パソコン作業やスマホ、ダブレットの長時間利用などで、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緊張し続けることによる疲労です。

症状としては、目がしょぼしょぼする、一時的にかすむ、ピントが合いにくいといったものが挙げられます。
多くは、目を休ませたり十分な睡眠をとったりすることで和らぎやすいのが特徴です。

「眼精疲労」は休息しても症状が続く慢性的な状態

「眼精疲労」は、十分な休息や睡眠をとっても、目の痛み・かすみ・充血といった症状が改善しにくく、慢性的に続く状態を指します。
大きな特徴は、目の症状だけでなく、関連する全身の不調が現れることがある点です。

具体的には、目の奥の痛みに伴う頭痛、首や肩のこり、吐き気、めまい、倦怠感などが挙げられます。
背景にドライアイなどの目の不調や、別の原因が隠れていることもあるため、単なる疲れと決めつけず、原因に応じた対処が大切です。

あなたの症状はどっち?眼精疲労セルフチェックリスト

自身の不調が一時的な「疲れ目」なのか、対処が必要な「眼精疲労」なのかを考えるために、症状を整理してみましょう。
チェックリストは、目に現れる症状と全身に及ぶ症状の2つの側面から構成しています。

当てはまる項目が多いほど、目の負担が積み重なっているサインかもしれません。
※セルフチェックはあくまで目安です。チェック項目に当てはまっても、病名の判断はできません。

目に現れる不快な症状でチェックする

まずは、目そのものに出やすいサインから確認します。
以下で、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
ポイント:休息しても改善しにくい/繰り返す場合は、負担が蓄積している可能性があります

□ 目の奥が痛い、または重い感じがする
□ 目がかすむ/視界がぼやけることが増えた
□ 近く⇄遠くの切り替えでピントが合いにくい
□ 目が充血しやすい
□ 以前より光をまぶしく感じる
□ 目が乾いてゴロゴロする、または涙が出やすい
□ 目がしょぼしょぼして開けているのがつらい

※これらは、目の筋肉の緊張や涙のバランスの乱れなどが関わっていることがあります。
「一時的」ではなく「日常的」になっていないか、という視点でチェックしてみてください。

全身に現れるつらい症状でチェックする

次に、目の不調と同時に出やすい全身のサインを確認します。
目の疲れが“体全体のつらさ”につながっている場合は、無理を重ねないことが大切です。

□ 慢性的な頭痛がある(特にこめかみ/後頭部など)
□ 肩こり・首こりが頑固で、ほぐれにくい
□ 吐き気やめまいのような不調が出ることがある
□ 十分に寝てもだるさが抜けにくい
□ イライラしやすい/集中力が続きにくい

これらが「目のつらさ」と連動している場合、緊張やストレスが重なり、自律神経のバランスが乱れている可能性も考えられます。
複数当てはまり、生活に支障が出ている場合は、早めに相談先を検討しましょう。

なぜ起こる?眼精疲労を引き起こす5つの主な原因

眼精疲労は、「目を使いすぎた」だけで起こるとは限りません。
目の酷使に加えて、目の乾燥、視力に合わない矯正器具、作業環境、精神的ストレスなど、複数の要因が絡み合って起こることがあります。

原因は一つとは限らず、生活の中の“小さな負担の積み重ね”が慢性的な不調につながるケースも少なくありません。
ここでは代表的な5つを解説します。

PCやスマホの長時間利用による目の酷使

最も一般的な原因は、パソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル機器の長時間利用です。
近くの画面を凝視し続けると、ピント調節に関わる毛様体筋が緊張し続け、疲労が蓄積しやすくなります。

また、画面に集中していると、まばたきの回数が無意識に減ることがあり、目が乾きやすくなります。
乾燥による負担が重なることで、しょぼしょぼ感や異物感などの不快感につながる場合があります。

ドライアイや緑内障など目に潜む病気

眼精疲労の症状の背後に、治療が必要な目の病気が隠れているケースも少なくありません。
例えば、目の表面が乾くドライアイは、目の保護機能を持つ涙が不足するため、角膜に傷がつきやすく、疲れや痛みを感じやすくなります。

また、眼圧が上昇する緑内障や、水晶体が濁る白内障の初期症状として、目のかすみや疲れが現れることもあります。

その他、斜視や斜位のように、物を見るときに左右の視線が正しくそろわない状態も、無理にものを見ようとすることで目に大きな負担をかけ、眼精疲労の原因となり得ます。
自己判断で放置せず、眼科での検査が重要です。

度数が合わないメガネやコンタクトレンズの装用

視力矯正のために使用しているメガネやコンタクトレンズが、現在の視力や作業内容に合っていない場合、目は無意識のうちにピントを合わせようと頑張り続け、負担が増えやすくなります。
近視・遠視だけでなく、乱視の度数や軸が合っていない場合も、見え方の違和感や疲れにつながることがあります。

特に、老眼が始まっているにもかかわらず遠用のメガネで近くの作業を長時間続けるなど、用途と度数が一致しない状態は疲れを感じやすいポイントです。
見えづらさや疲れが続くときは、定期的に視力を確認し、用途に合った矯正に見直すことを検討しましょう。

照明やモニターの位置など不適切な作業環境

作業環境も、目の疲れに大きく影響します。
暗すぎて手元が見えにくい、明るすぎて画面が反射する、モニター位置が高くて目が乾きやすい——こうした環境は目に余計な負担をかけやすくなります。

目線より少し下にモニター上端がくる配置、室内の明るさとの差が大きくならない画面設定など、できるところから整えていきましょう。

※目をいたわる仕事・学習環境の整え方はこちらも参考にしてください

自律神経の乱れにつながる精神的なストレス

精神的ストレスや緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
自律神経は涙の分泌や血流などにも関わるため、乱れることで目の回復が進みにくくなったり、疲れが抜けにくくなったりすることがあります。

「目だけの問題」と切り分けず、心身の休息も含めて整える意識が役立ちます。

今すぐできる!眼精疲労を和らげるセルフケア方法

眼精疲労のつらさは、生活の工夫で和らぐことがあります。
専門的な治療が必要なケースもありますが、日々の習慣を見直すことで目の負担を減らし、回復しやすい状態をつくることは可能です。

ここでは、自宅や職場で取り入れやすいセルフケアを紹介します。
「疲れたときの応急処置」としてだけでなく、「疲れにくくする予防」としても役立ててみてください。

蒸しタオルで目元を温めてリラックスする

蒸しタオルで目元を温めると、目の周りがほぐれて楽に感じる方もいます。
水で濡らして軽く絞ったタオルを電子レンジで温め、心地よい温度にしてから、閉じたまぶたの上に5〜10分ほど乗せます。

※熱すぎるとやけどの恐れがあります。必ず温度を確認し、無理のない範囲で行ってください。乾燥感が強いときなど、合わないと感じた場合は中止しましょう。

リラックス効果も高いため、一日の終わりの習慣にするのがおすすめです。
※お風呂で簡単にできる目のリラックス方法はこちらも参考に

こまめに”遠く”を見て目の筋肉を休ませる

近くの画面を長時間見続けると、ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緊張した状態のままになりやすく、目の奥の重さやピントの合いづらさを感じることがあります。
作業の合間に意識的に遠くを見る時間を挟むと、この緊張をいったんゆるめやすくなります。

「ハーフタイム」は、近くを見る作業の途中で、「自分にとってピントが合う一番遠い距離」を短時間だけ眺める目の休憩法です。

5〜20分近くを見たら、5〜20秒だけピントを遠くに外す
部屋の奥の壁や廊下の先、窓の外の建物など、ピントが合う一番遠い場所を眺める

ポイントは、長い休憩を取ることよりも、凝視する時間を細かく区切り、こまめにピントを外すことです。
無理のない範囲で取り入れるだけでも、作業中の目の負担を減らす一助になります。

※詳しい考え方は、こちらの記事で紹介しています⇒子どもの近視が将来の眼病につながる?──家庭でできるリスクを減らす対策

ハーフタイムをする男性

意識的にまばたきの回数を増やし目の乾燥を防ぐ

画面に集中していると、まばたきは無意識に減りやすいといわれています。
まばたきは涙の膜を広げて目の表面を守る働きがあるため、減ると乾きやすくなり、不快感につながる場合があります。

作業中は、時々ゆっくりまばたきをして、目の表面をうるおす意識を持つのも一つの方法です(痛みが出る場合は無理をしないでください)。

パソコンで仕事中にまばたきをする男性

作業環境のモニターや照明を調整する

モニターは、画面上端が目線の高さ〜やや下になるように調整し、目との距離は40cm以上を目安にします。
画面の明るさは、室内との明暗差が大きくならないように設定し、反射(映り込み)がある場合は角度や照明配置を見直しましょう。

まずは「明るさ」「文字サイズ」「反射」の3点を整えるだけでも、目の負担は変わりやすいです。
眩しさが気になる場合はナイトモードや反射防止フィルムなども検討材料になります(感じ方には個人差があります)。

※目を疲れさせない 仕事や学習環境の整え方を知りたい方はこちら

十分な睡眠時間を確保し、回復しやすいリズムをつくる

睡眠は目の回復にとって大切な時間です。
夜遅くまで画面を見る習慣がある場合は、就寝前は少し控える、部屋を暗めにして落ち着くなど、休息しやすい環境づくりを意識してみてください。

寝る直前までスマートフォンを見ていると、画面の光で脳が覚醒し、寝つきが悪くなることがあります。
就寝1時間前からはデジタル機器の使用を控え、照明を落としてリラックスできる環境を整えると、睡眠の質を保ちやすくなります。

危険なサインかも?眼科受診を検討すべき症状の目安

眼鏡と目薬

多くの目の疲れは、休息や生活習慣の見直しなどのセルフケアで楽になることがあります。
ただし、なかには医療機関での確認が望ましいケースや、注意が必要なサインが含まれている場合もあります。

セルフケアを続けても症状がなかなか改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、自己判断で様子を見続けず、眼科への相談を検討しましょう。
ここでは、受診を考える目安となる症状を解説します。

セルフケアを続けても症状が改善しない

目元を温める、休息をとる、作業環境を見直すなどのセルフケアを1〜2週間続けても、目の痛みやかすみ、頭痛などに変化が見られない、または悪化している場合は、眼科の受診を検討しましょう。

症状が長引く背景には、乾燥(ドライアイ)などの不調や、視力に合わない眼鏡など、専門的な確認が必要な原因が関わっている可能性があります。

目の痛みやかすみが日常生活に支障をきたしている

目の不快な症状で生活の質(QOL)が明らかに下がっている場合も、受診の目安です。
例えば、画面を見るのがつらくて仕事の効率が落ちる、文字が読みにくくて読書が楽しめない、運転が不安になるなどの状況が挙げられます。

我慢が続くほどストレスが増え、悪循環になることもあります。体が発しているサインとして、早めに相談しましょう。

激しい頭痛や吐き気など全身の不調を伴う

目の症状に加えて、これまで経験したことのない強い頭痛、我慢できない吐き気、急な視力低下、視野の一部が欠けて見えるなどの症状がある場合は特に注意が必要です。
緊急性の高い状態が疑われることもあるため、様子を見るのではなく、速やかに眼科や必要な医療機関を受診してください。

眼精疲労に関するよくある質問

眼精疲労について、多くの方が抱きがちな疑問は共通しています。
ここでは、よくある質問を取り上げ、ポイントを簡潔にまとめます。

Q:眼精疲労に効果的な市販目薬の選び方を教えてください

市販の目薬には、乾燥対策向け・疲れ目向けなど複数のタイプがあります。配合成分は製品によって異なり、「ネオスチグミンメチル硫酸塩」「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」「ビタミンB6・B12」などが含まれる場合もあります。

ただし、成分名だけで自分に合うかどうかを判断するのは難しいため、添付文書の「使用目的」「用法・用量」「注意事項」を確認し、迷う場合は薬剤師・登録販売者に相談しましょう。
コンタクト装用中は装用したまま使えるタイプかも確認してください。
※目薬は医薬品です。症状が続く・悪化する場合は受診をお勧めします。

Q:PC・スマホ作業中に眼精疲労を予防するコツはありますか?

コツは、近くを見続ける時間を区切って、こまめにピントを外すことです。
作業中は[ハーフタイム]を意識し、5〜20分近くを見たら5〜20秒だけ“いちばん遠くでピントが合う場所”を見て目を休ませましょう。

あわせて、まばたきが減りやすい点にも注意し、乾燥を感じるときは意識的にまばたきを増やします。
モニターは目線よりやや下・距離40cm以上を目安にし、部屋の明るさと画面の明るさの差を小さくするのも有効です。

Q:眼精疲労の症状がある場合、何科を受診すればよいですか?

まずは眼科を受診するのが第一選択です。
目の症状の裏に、乾燥(ドライアイ)などの不調や別の原因が関わっていないか確認することが大切です。

眼科で大きな異常が見つからないにもかかわらず、頭痛や肩こりなどが続く場合は、内科や整形外科など他科との連携が必要になることもあります。

まとめ|休息で戻るかが「疲れ目」と「眼精疲労」の分かれ目

「疲れ目」と「眼精疲労」の主な違いは、休息で楽になりやすいかどうかにあります。
疲れ目は休息や睡眠で軽くなることが多い一方、眼精疲労は休んでも目の痛みやかすみが残ったり、頭痛や肩こりなど全身の不調を伴ったりすることがあります。

眼精疲労の背景には、目の使いすぎだけでなく、乾燥(ドライアイ)を含む不調、作業環境、精神的ストレスなど、さまざまな要因が関わるとされています。
セルフケアを続けても改善しにくい場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、自己判断を続けず、早めに眼科へ相談すると安心です。

最後に、できるところからで構いません。
この記事のセルフチェックと休憩の工夫を参考に、目の負担を少しずつ減らしていきましょう。